リグロスとは世界初の保険適応の歯周組織再生医薬品です。
エナメルマトリックスデリバティブEMD製品名(エムドゲイン)との比較試験において新生歯槽骨の増加量においても優越性を認めています。
リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用より歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療薬です。フラップ手術で、プラーク・歯石を取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスと同じ成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療に使用されています。(ただし歯周病の再生に使われる濃度より薄いものをつかっているようです。)
リグロスを使うことによってある程度進行した歯周病でも。歯を抜かずに治療できる可能性が高くなりました。
歯周再生療法は歯周組織を再生する治療法です。下図のようにリグロスをきれいにした欠損部にいれ縫合します。
適応 歯周ポケットの深さが4mm以上、骨欠損の深さが3ミリ以上の垂直的がある場合に使用する。
副作用 歯肉白色化、歯肉紅斑、歯肉腫脹および頭痛が429例中3例(0.7%)報告があります。
リグロスは保険適用されている歯周組織再生薬です。1歯だけならフラップ手術と薬剤込みで三割負担で一万弱くらいかかります。2歯なら12000円ちょっと3歯なら140000円ちょっと4歯で16000円くらい(平成29年6月現在の保険点数と薬価で計算1歯は600μg,2~4歯は1200μgの薬価で計算)フラップ手術だけだと切開後の歯肉は上皮性に付着するものの、歯槽骨などの結合組織を含む歯周組織の再生はリグロスを塗布するものじゃないと再生は期待できません。他に術後の抗生剤も必要になります。
リグロス歯科用キット600μg 1キット:2067点 リグロス歯科用キット1200μg 1キット2780点
フラップ手術1歯につき630点()平成29年6月現在の保険点数と薬価で計算)
リグロスは歯周外科手術の適応部位におこないます。
リグロスは基本歯周治療をして改善が認められない上記の適応がある部位に使います。効果がでても院内メインテナンスをしっかりうけてご自身の口腔内ケアもしっかりしていないと 元の木阿弥になってしまうかもしれませんので原因があって罹患したことを忘れないでください。
リグロスを使わなければいけないくらい歯周病が進行している人は数か月の基本治療をしてからの歯周組織再生薬を塗布をともなうフラップ手術になりますので来て2,3回で治るという魔法の薬ではありません。
リグロスは保険適用されている歯周組織再生薬ですが、上記のリグロスの料金の項目にあるようにある程度の料金がかかりますのでご注意ください。もちろん1割の方はこの料金の三分の一になります。
リグロスは歯周外科手術に伴って塗布するもので当院では数時間かけて全顎を一度にやることはしません。
通常は1から3歯くらいで試行しています。数が多い時は数回に分けておこないます。