インプラント手術において、私が特に重視しているのが「サージカルガイド」の使用です。これは一般的な歯科治療では馴染みのない装置ですが、インプラント治療の安全性・正確性を飛躍的に高めるために欠かせないツールです。
本記事では、サージカルガイドとは何か、その目的とメリット、当院でのこだわりについて、インプラント治療に携わる歯科医師の立場からお話しします。
サージカルガイドは、患者様の顎の骨に人工歯根(インプラント)を正確に埋め込むための、マウスピース型の装置です。ガイドには事前にCTデータをもとに、インプラントを入れる位置・角度・深さが精密に設計されています。
手術当日はこのガイドを装着し、専用のドリルで設計どおりの埋入処置を行うことで、安全かつ予測通りの結果が得られます。経験や技術に頼り切る従来の方法とは異なり、精密な治療計画を確実に再現できる点が最大の特長です。
私自身、これまで様々なメーカーのサージカルガイドを試してきました。しかし、当院で現在使用しているガイドは、その製作工程と精度の高さにおいて他と一線を画します。
インプラントの埋入位置がわずかにズレるだけでも、将来的なトラブルや審美性に影響します。だからこそ、こうした高精度のガイドにこだわることが、安全で質の高い治療に直結するのです。
特に下顎では、下歯槽神経や動脈への接触を避けることが非常に重要です。サージカルガイドを使えば、CTデータに基づいた位置決めが可能となり、重大な術中・術後合併症を防ぐことができます。
上顎の場合、インプラントが上顎洞に突き出ると炎症や感染のリスクがあります。ガイドを用いることで、安全な深さに留め、トラブルの回避につながります。
ガイドを使えば歯ぐきを大きく切らずにすみます。いわゆるフラップレス手術が可能となり、術後の腫れや痛みが軽減され、回復も早まります。
インプラントの位置・角度・深さは、被せ物の見た目やかみ合わせにも直結します。ガイドを使うことで、美しく、長期間安定するインプラントが実現可能です。
サージカルガイドの精度は、元となる情報の質に左右されます。そのため、歯科用CTによる三次元的な情報取得は欠かせません。レントゲンだけでは把握できない骨の厚みや神経の走行を詳細に確認することで、より安全な治療計画が可能となります。
私たち歯科医師が持つ経験と技術はもちろん大切ですが、それを最大限に活かすためにも、CTとサージカルガイドの併用が今後のスタンダードだと考えています。
本音を言えば、すべてのインプラント症例にサージカルガイドを使用したいところです。しかし、コストの面や患者様のご希望によっては、適応症を限定することもあります。
とはいえ、「より安全で、予測可能な治療」を目指す上で、サージカルガイドは今やなくてはならない存在です。私たちは、患者様一人ひとりの状況に応じて最適な方法を選び、納得のいくインプラント治療を提供することをお約束します。
ご不明点がありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。インプラント治療をお考えの方にとって、安心して第一歩を踏み出せるようサポートいたします。
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